飲食店の業務を効率化！無料でもできる方法や業務別の効率化を紹介
- すぐメシくんコラム編集部
- 1月29日
- 読了時間: 12分
更新日：3月26日
飲食店の経営者やマネージャーの方々にとって、日々の業務効率化は大きな課題です。
接客、調理、在庫管理など、やるべきことが山積みの中で限られた人員と時間を最大限に活用する必要があります。
本記事では、費用をかけずに実践できる方法も含めて、飲食店の業務効率化についてご紹介していきましょう。
飲食店の業務を効率化すると得られる効果
業務効率化に取り組むことで、お店にはどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的な効果を見ていきましょう。
人件費・食材費が削減できる
在庫管理や仕入れの精度を上げることで、無駄な発注や廃棄を減らすことができます。
特に生鮮食品を扱う飲食店では、適切な在庫管理は廃棄ロスにも繋がるため、利益に直結する重要なポイント。
例えば、曜日や時間帯ごとの来客数データを活用することで、必要な食材の量を正確に予測できるように。結果として、廃棄ロスの削減につながり、食材費の節約が可能になります。
サービス品質が向上する
業務の無駄を省くことで、スタッフは接客により多くの時間を割けるように。料理の提供スピードが上がれば、お客様の待ち時間も自然と短縮できます。
業務量が減ればより接客に時間を避けるようになり、お客様の満足度も向上するはず。「また来たい」と思っていただけるお店づくりにつながり、リピーター獲得にも効果的です。
スタッフの負担が減り定着率が上がる
効率的な業務体制を整えることで、スタッフの過度な負担を軽減できます。
特に繁忙期でも余裕を持って対応できる環境を作ることで、スタッフの負担も減少。
結果として離職率の低下につながり、継続的な採用活動にかかるコストも抑えられます。
教育コストが下がる
業務フローが効率化されるということは、覚えなければいけない業務も減るということ。つまり、新しいスタッフへの教育コストが削減できます。
またきちんと業務の手順を定めることができれば、店舗全体でむらの無いサービスを提供できるため、お店全体としての品質維持にも役立ちます。
教える側のベテランスタッフの負担も軽減でき、一石二鳥の効果が期待できるでしょう。
効率化方法を業務タイプ別に解説
飲食店の業務効率化には、さまざまな方法があります。以下の表で、主な改善方法とその特徴をまとめてみましょう。
改善方法 | 優先順位 | 手間 | 効果 |
オーダーシステム導入 | 中 | 大 | 高 |
テーブル配置の最適化 | 高 | 少 | 中 |
伝票・卓上メモの設置 | 中 | 少 | 低 |
配膳ロボット導入 | 低 | 大 | 中 |
キッチンの配置見直し | 中 | 少 | 低 |
マニュアル作成 | 高 | 中 | 高 |
予約管理システムの導入 | 高 | 中 | 高 |
在庫管理システム導入 | 中 | 大 | 高 |
シフト管理システム導入 | 高 | 中 | 高 |
POSレジの導入 | 中 | 大 | 高 |
ホール業務の効率化方法
ホール業務の主な効率化方法は以下のとおりです。
注文用のシステムを導入する
テーブルの配置を見直す（無料）
オーダー伝票・卓上メモを設置する
配膳ロボットを導入する
注文用のシステムを導入する
ハンディターミナルやモバイルオーダーといったシステムの導入は、注文の受け間違いを防ぎ、キッチンへの伝達をスムーズにしてくれます。
初期費用が必要なシステムを導入するとしても、長期的に見ると人件費の削減につながるはずです。
テーブルの配置を見直す（無料）
お客様の動き・スタッフの動きを考慮し、テーブルの配置を最適化するのも有効です。
通路幅を十分に確保することで、料理の運搬がスムーズに。運搬一回あたりで削減できる時間はわずかなものの、積み重なれば大きな効率化に繋がります。
費用もかからず、一定の効果が期待できる改善方法です。これまで配置などにあまりこだわっていなかった場合は、まず検討してみましょう。
オーダー伝票・卓上メモを設置する
各テーブルにメモ用紙とペンを設置することで、お客様が追加注文を書き留められるようにするのも効果的。
スタッフの聞き取りミスを防げますし、紙を渡すだけでやり取りは完了するため注文にかかる時間を削減できます。
用紙とペンの補充は必要ですが、コストはわずか。ぜひ検討してみましょう。
配膳ロボットを導入する
人手不足対策として注目を集める配膳ロボット。
料理の運搬を自動化することで、スタッフの負担を削減しつつ接客により多くの時間を割くことができます。
かなりの初期投資が必要ですが、長い目で見ると大きな人件費削減に繋がります。
単価が比較的安く、来客数が多いレストランなどの業種におすすめです。
最近はお酒づくりなどをセルフにすることで、「体験型」と銘打って業務効率化をはかる飲食店も増えています。（参考記事：居抜きの神様「居酒屋のセルフサービスとは？お店のメリットと提供形態を解説」）
キッチン業務の効率化方法
キッチン業務を効率化する方法は以下のとおりです。
調理器具・調味料の配置を見直す（無料）
調理・仕込み手順のマニュアル作成（無料）
調理器具・調味料の配置を見直す（無料）
調理場での動きを効率化するには、まず配置の見直しから始めましょう。
頻繁に使用する調理器具や調味料は、作業台からすぐ手が届く位置に配置します。
また、収納棚には分かりやすいラベルを貼り付けることで、道具や食材を探す手間も削減。
費用をほとんどかけずに実現できる改善方法となります。
調理・仕込み手順のマニュアル作成（無料）
効率的な調理のカギとなるのが、手順の標準化です。仕込みの時間配分や順序、担当者の役割分担をマニュアル化することで、スムーズな調理が可能になります。
具体的には以下のような内容を明確にしておきましょう。
各料理の仕込み所要時間
食材の下処理手順
仕込みの優先順位
スタッフの役割分担
マニュアルは、エクセルなどの表計算ソフトで十分作成できます。写真や図を活用すれば、エクセルで作ったとしても新人スタッフでも理解しやすい内容に。
経験の浅いスタッフでも一定水準の作業が可能になり、キッチン全体の生産性向上につながるはずです。
バックヤード業務の効率化方法
バックヤード業務を効率化する方法は以下のとおりです。
予約管理用のシステムを導入する
発注・在庫管理のシステム化
勤怠管理・シフト管理システムの導入
POSレジを導入する
予約管理用のシステムを導入する
予約管理をデジタル化することで、予約の重複や取りこぼしを防ぐことができます。
手書きの予約台帳では、情報の共有や変更が煩雑になりがち。システム化すれば店舗スタッフ全員がリアルタイムで予約状況を確認できるようになります。
無料や低価格の予約管理アプリも増えているため、店舗の規模に合わせて選択するのがおすすめです。
発注・在庫管理のシステム化
在庫管理や発注業務は、エクセルやGoogleスプレッドシートを活用することからでも始められます。
以下のような項目をテンプレート化しておくと便利です。
食材の在庫数・発注のタイミング
最低限確保しておきたい在庫数
仕入れ先情報
余裕がある場合は、専用の在庫管理システムの導入も検討してみましょう。食材ロスの削減や、急な品切れの防止にも効果的です。
勤怠管理・シフト管理システムの導入
シフト作成や勤怠管理の効率化には、専用のツールが役立ちます。
シフト希望の収集が容易に
スタッフへの連絡がスムーズになる
急な欠勤や交代にも素早く対応できる
例えばLINE Worksのアンケート機能を使えば、スタッフの希望シフトを簡単に集められます。
また、「らくしふ」などの無料アプリを活用すれば、シフト表の作成から共有までをスムーズに行えるように。
POSレジを導入する
POSレジとは商品の販売情報を記録・分析できるシステム。初期費用が必要なことが多いものの、売上管理や会計業務の効率化に大きく貢献します。
また、クレジットカードや電子マネーなど、多様な決済方法に対応できることで、会計時の手間も大幅に削減。
繁忙期の会計処理もスムーズに行えるようになります。
無料でもできる業務効率化は？
これまでご紹介した方法の中から、無料で始められる効率化の方法をピックアップしてみましょう。
テーブル・座席の配置を見直す
調理器具・調味料を使用頻度に応じて配置する
調理手順のマニュアルを作成する
在庫管理・シフト管理用のエクセルシートを作成する
これらの方法は、特別な設備投資をせずとも、すぐに始められる改善策です。
例えば、テーブルの配置を見直すだけでも、スタッフの動線が改善され、作業効率が大きく向上します。
また調理場の整理整頓や手順の標準化は、時間と手間をかけて取り組む必要はありますが、費用はほとんどかかりません。
まずはこういった無料でもできることをやりつつ、本格的なシステムの導入を検討していきましょう。
飲食店タイプ別で効率化のポイントを紹介
ここからは、飲食店のタイプ別に業務効率化のポイントを紹介していきます。
居酒屋はホール・調理の効率化が重要
回転率が高い場合は提供時間の改善が重要
カフェはレジ待ちの短縮が重要
居酒屋はホール・調理の効率化が重要
居酒屋では、1テーブルあたりの注文数が多く品数も豊富。食べ進めるごとに少しずつ注文することが普通なため、注文→調理→運搬のやりとりを行う回数も非常に多くなります。
そのため、注文から提供までの流れをスムーズにすることが重要です。
予約管理や勤怠管理というよりは、ホール業務や調理業務の効率化に重点を置くべきだと言えます。
例えばテーブルから注文できるモバイルオーダーシステムや配膳ロボットなどの導入を進めていきましょう。
回転率が高い場合は提供時間の改善が重要
ラーメン店や定食屋など短時間での利用が多い店舗では、料理の提供時間の短縮が売上に直結します。
お客様の滞在時間のうち、料理を待つ時間は単なるロスタイムに。
キッチンの動線や調理手順を見直し、提供時間の短縮を図ることで、店舗全体の回転率を上げることができます。
カフェはレジ待ちの短縮が重要
カフェでは、お客様の滞在時間が比較的長くなる傾向にあります。そのため、席の回転率を上げることは容易ではありません。
むしろ、カウンターでの注文や会計にかかる時間を短縮することで、お客様の待ち時間を減らすことが重要です。
ただし、常に満席の状態が続く店舗では、レジ周りを改善したとしてもあまり効果は期待できません。そういったケースではバックヤードでの作業効率化を優先しましょう。
飲食店の業務効率化に役立つおすすめシステム
業務効率化のために、システムの導入を検討されている方も多いのではないでしょうか。ここでは、飲食店でよく利用されているシステムをご紹介します。
モバイルオーダーシステム
オーダーエントリーシステム
予約管理システム
セルフレジ
配膳ロボット
勤怠・シフト管理システム
モバイルオーダーシステム
モバイルオーダーシステムとは、テーブルにいるお客様自身がスマートフォンで注文できるシステムです。
スタッフを介さずに注文ができるため、特に人手不足に悩む店舗におすすめです。
また、お客様の側も好きなタイミングで注文ができ、追加注文も簡単にできるというメリットがあります。
居酒屋など、注文回数が多くなる飲食店に特におすすめです。
モバイルオーダーシステムについては、以下の記事も合わせてご覧ください。
オーダーエントリーシステム
オーダーエントリーシステムとは、注文内容を端末に入力したうえで、キッチンに転送できるシステムです。「注文を受ける→厨房に伝える」という手間が削減できます。
手書き注文の場合によくある「急いで書いたので字が汚く読めない」などの問題を解消することも可能です。
売上データも自動的に集計されるため、在庫管理システムと連携することで、より効率的な店舗運営が可能になります。
オーダーエントリーシステムについては、以下の記事もご覧ください。
予約管理システム
予約管理システムとは、予約の受付から顧客情報の管理まで一元化できるシステムです。
手書きの予約台帳と違い、スタッフ全員がリアルタイムで予約状況を確認できます。複数の予約サイトからの予約内容を一括で管理することも可能。
来店客の多くが予約客で成り立っているケースにおすすめです。
セルフレジ
セルフレジとは、お客様自身で会計ができるレジシステムです。特に混雑時の会計待ち緩和に効果を発揮します。
キャッシュレス決済との相性も良く、スタッフの現金管理の手間も軽減できます。
導入コストはかかりますが、長期的な人件費削減とお客様の待ち時間短縮による満足度向上が期待できます。
飲食店のセルフレジについては、以下の記事もご覧ください。
配膳ロボット
配膳ロボットは、決められたルートを自動で走行し料理を運んでくれるロボットのこと。
ホールスタッフの身体的な負担を減らしつつ、接客により多くの時間を割けるようになります。
特に重い料理や飲み物の運搬が多い店舗や、料理の配膳回数が多い店舗などにおすすめです。
勤怠・シフト管理システム
勤怠・シフト管理システムとは、シフトの作成から勤怠管理までを一元化できるシステムです。スタッフの希望シフトの収集や、長い時間を咲かれることの多いシフト作成を効率化できます。
また、労働時間を正確に記録できるようになるため、法令遵守の面でも安心です。
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ここまで、さまざまな業務効率化の方法をご紹介してきました。システム導入は効果が高い一方で、初期費用の負担や手間の大きさが気になる方も多いのではないでしょうか。
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