飲食店の利益率の平均とは?黒字店舗の共通点と20の利益拡大施策を紹介
- すぐメシくんコラム編集部
- 1 日前
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更新日:21 時間前
飲食店を開業するにあたって、最も気になるのが「利益率はどれくらいが普通なのか?」「本当に黒字経営ができるのか?」という点ではないでしょうか。
実際、飲食業界は競争が激しく、開業しても数年以内に閉店してしまう店舗が少なくありません。その中で着実に利益を出していくためには、単に「美味しい料理を出す」だけではなく、「利益を生む仕組み」を最初から設計しておくことが重要です。
本記事では、飲食店の平均利益率の実態をデータをもとに解説しつつ、黒字経営を実現するために必要な準備ポイントを整理していきます。
飲食店の平均利益率はどれくらい?
飲食店の経営を考えるうえで、まず押さえておきたいのが利益率の目安です。
結論から言えば、飲食業全体の平均営業利益率は約8.6%とされています。
つまり、売上が100万円あった場合、最終的な営業利益は8.6万円程度という計算です。
(参考:経済産業省「商業統計」)
さらに、日本政策金融公庫や税理士事務所などの調査によると、飲食店の粗利益率は70~75%程度が一般的。ここから人件費・家賃・光熱費などの経費を差し引いて、営業利益が残ります。
以下のデータは、業態別の粗利益率の平均です。
業態 | 粗利益率(平均) | 営業利益率(目安) |
カフェ | 約70〜75% | 5〜10% |
居酒屋 | 約65〜70% | 8〜12% |
ラーメン店 | 約60〜70% | 10〜15% |
ファストフード | 約75〜80% | 5〜8% |
営業利益と粗利益の違い
粗利益率:料理の「利益の出しやすさ」を測る

売上高から、商品の仕入れである売上原価を差し引いたものが粗利益です。
たとえば原価30円のドリンクを300円で売ると、粗利益は270円。粗利益率は90%。これは食材や原料の仕入れと価格設定の関係性を表しており、「高い粗利益率=儲かりやすい商品」と言えます。
粗利益 = 売上高 - 売上原価
営業利益率:店全体の「実際の儲け」を測る

粗利益からさらに、人件費・家賃・電気代などの運営コストを引いた「本当の儲け」が営業利益です。営業利益率はこの金額が売上の何%かを示しており、経営の健全性・継続可能性の判断に使われます。
営業利益 = 売上高 - 売上原価 -運営コスト
指標名 | 定義・意味 | 計算式 | 注目ポイント |
粗利益率(売上総利益率) | 売上から「原価(食材費など)」を引いた利益の割合 | 粗利益(売上 − 売上原価) ÷ 売上 | 料理や商品そのものの収益性を示す |
営業利益率 | 粗利益から「人件費・家賃・光熱費などの販管費」を引いた後の利益の割合 | 営業利益(売上高 - 売上原価 -運営コスト)÷ 売上 | 店舗全体の経営効率・収益力を示す |
飲食店の利益率は低い?その理由は?
「飲食店は利益率が低い」と言われがちですが、実際はどうでしょうか。
たしかに飲食店を含む“モノを扱う業種”は、情報通信業や不動産業といった無形資産を活用したビジネスモデルと比較して、原価率が高いため利益率が低くなりがちです。
しかし、その中でも飲食業は利益率が約3%と小売業・卸売業より高く、“モノを扱う業種”の中では比較的高めといえます。
業種 | 平均営業利益率(中小企業に限定) |
飲食業 | 約3.0% |
小売業 | 約2.1% |
卸売業 | 約1.1% |
製造業 | 約4.0% |
建設業 | 約2.8% |
情報通信業 | 約15.0% |
不動産業 | 約20.0% |
利益率が高い飲食店の共通点
営業利益率があまり高くない飲食店業界ですが、工夫次第で平均以上の利益を出している飲食店もあります。
飲食店の利益率を高めるためには、単に売上を伸ばすだけでなく、効率的な経営と無駄の削減が重要です。以下に、利益率が高い飲食店に共通するポイントを紹介します。
1. 食品ロスの削減を常に意識

食品ロスは、飲食店の利益を圧迫する大きな要因です。
利益率が高い店舗では普段から日報などを付けるようにし、食品ロスの季節的・天候的傾向を掴んで食品ロスを削減しています。
さらに「この時間帯はご飯ものが多く注文される」「歓迎会の時期はこのコースが人気」など傾向を掴むことで、効率の良い経営が可能になります。
2.物件にかかる費用を抑える
支払うコストが高いと、おのずと利益率も低くなってしまいます。特にテナント料や物件取得費は選び方で大きく費用が変わる項目です。
高価な物件だからといって、飲食店の集客に最適な物件とは限りません。
これから開業を予定している方は立地の費用対効果(坪単価に対する集客効果)をしっかり調査し、できるだけ固定費や初期費用の少ない開業方法を選ぶと利益率向上に繋がります。
飲食店は特に居抜き物件の活用も視野に入れやすいため、ぜひ検討してみましょう。
3.コスト削減を常に意識
物件ほど大きな数字ではありませんが、持続可能な経営をするうえで、コストの削減は常に意識する必要があります。
飲食店の主なコストはこちら。
費用項目 | 内容・補足 |
人件費 | 基本給・社会保険料・交通費など。 |
水道光熱費 | 照明・空調・ガスなど。 |
減価償却費 | 設備・内装・機器などの購入費用を耐用年数に応じて按分したもの。 |
保険料 | 火災保険、賠償責任保険など。店舗やスタッフ、顧客対応を含む。 |
リース代 | POSシステム、厨房機器などのリース契約がある場合。 |
通信費 | 固定インターネット回線、電話代などの基本契約料。 |
定額制サービス料 | クラウドシステムや予約サイトなどの月額利用料(※一部は変動費化することも) |
たとえば人件費は飲食店DX(ITシステムの導入によるデジタル化)で効率化することができますし、あまり使用していない定額制サービスは定期的な見直しで削減可能です。
4.利益率の高い商品に着目
利益率の高い飲食店は、単に売上の多いメニューを追いかけるのではなく、「どの商品が利益を生んでいるか」に注目しています。
例えば、ドリンク類やデザート、サイドメニューは原価率が低く、粗利益率が70〜90%以上になることも多いです。これに対し、ステーキや刺身などの高級食材メニューは、見た目の単価は高くても原価がかかるため、実質的な利益はあまり残らないこともあります。
こうした構造を理解したうえで、「利益率の高い商品とのセット化」「利益率の高い商品の注文導線の強化」などの工夫をしましょう。
5. オペレーションの効率化
従業員のオペレーションを効率化することで、スタッフの負担を軽減し、サービスの質を向上させることができます。
例えば、セルフレジを導入することで、会計作業を自動化することが可能です。
また、モバイルオーダーの導入によりオーダーに割いていた人員を調理や提供、会計に回せるだけでなく、結果的に全体の回転率も向上します。
効率的なオペレーションは、顧客満足度を向上させるだけでなく、リピーターの継続的な獲得にも繋がるのです。
今日からできる!利益率を上げる20の方法
飲食店の利益率を高めるには、「売上を増やす」ことだけでなく、「コストを下げる」「客単価を上げる」「回転率を上げる」という3つの視点から戦略的に改善を図ることが重要です。ここでは、今日から実践できる具体的な方法を20個ご紹介します。
1. コストを下げる
食材ロスを減らす
日次での廃棄チェックを習慣化。
食材の使い回しがしやすいメニュー構成に変更。
在庫の「見える化」で二重発注を防ぐ。
光熱費を見直す
営業時間外の電源・冷蔵機器の利用方法を見直し。
LEDや省エネ設備への切り替えで電気代削減。
光熱費の「時間別推移」を記録して無駄を特定。
システムで業務DX
注文・会計・在庫管理をデジタル化することで人件費圧縮。
「注文だけ」など局所的なデジタル化でスタッフ教育の負担軽減。
2. 客単価を上げる
セットメニューやトッピング提案
利益率の高い商品を「セット化」して自然に単価アップ。
トッピングやサイズアップの声がけをマニュアル化。
メニューの順番とデザインを最適化
粗利益率の高い商品を上部など目に入りやすい箇所に配置。
写真やPOPで「お得感」「人気感」を演出。
注文の心理的ハードルを下げる
メニューは回収せず常に置いておく。
店員を呼ばずに注文できる仕組み(セルフオーダー)を導入する。
3. 回転率を上げる
混雑時間帯の座席回しの工夫
テーブルレイアウトを「少人数・短時間」用に切り替える。
「2時間制」」のPOP設置で時間を意識してもらう。
メニュー数を絞る
選択肢が少ない方が注文が早まり、調理・配膳時間も短縮。
回転率UPと仕込みの効率化を同時に実現。
注文~配膳~会計の効率化
モバイルオーダーやタブレット注文を導入して注文スピードUP。
会計をセルフ会計にすることで退店もスムーズに。
モバイルオーダーの導入で飲食店の利益率が上がる?
もともとコロナ禍での感染予防で需要が広まったモバイルオーダーですが、実は利益率向上にかなりの影響をもたらします。
オーダー人員が減るため人員配置の効率化と人件費の削減
オーダー待ちの時間が発生しないため追加注文率向上
ミスオーダーや聞き間違いが減ることでロスやクレームが減少
オーダー以外に人員を割けるため、サービスの質向上でリピーター増加
マクドナルドでも、モバイルオーダーの導入で人件費を3分の2削減することに成功しています。(参考:DIAMOND online)
物価や人件費が上昇している現代、モバイルオーダーは単なる"感染予防"や“便利ツール”ではなく、利益重視の店舗をつくるための戦略的な投資といえるでしょう。
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