飲食店はCRM(顧客管理システム)を導入すべき?ニーズ別におすすめを紹介
- すぐメシくんコラム編集部
- 1月31日
- 読了時間: 15分
更新日:2 日前
近年、飲食業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいます。
中でもCRM(顧客管理システム)は、売上アップやリピーター増加に直結する重要なツールとして注目されています。
しかし、「コストがかかりそう」「使いこなせるか不安」といった理由から、導入をためらう飲食店も少なくありません。
本記事では、CRMを導入するメリットやおすすめのシステムについて解説します。自店の課題やニーズに合わせて、ぜひ参考にしてみてください。
なお、飲食店のDXについては以下の記事も合わせて参考にしてみてください。
飲食店向けのCRM(顧客管理システム)とは?
CRMとは「Customer Relationship Management」(顧客管理)の略で、一般的には「顧客との関係性を管理・強化するためのシステム」を指します。
具体的には、以下のような機能を備えています。
顧客情報の管理名前、連絡先、属性、来店履歴などを一括管理できる
予約管理予約状況・空席状況が把握できる
メール・LINE配信顧客への情報発信、関係性の維持ができる
データ分析売上分析、顧客の行動分析ができる
こうした機能を使いこなすことで、顧客一人ひとりに最適なアプローチが可能になります。
来店頻度の高い優良顧客を判別したり、過去の注文履歴からおすすめメニューを提案したりと、顧客に合わせた対応でリピート率や客単価のアップに活用することが可能です。
導入の手間は大きめ
一方、CRMの導入にはある程度の手間がかかるのも事実です。
まずはシステムの選定。自社に合ったシステムを比較検討し、コスト面や使い勝手、サポート体制などを総合的に判断する必要があります。
加えて、社内の体制づくりも重要です。
従業員にシステムの使い方を教育し、日常業務の中で活用する習慣をつけてもらう必要があります。慣れないうちは、業務効率が一時的に下がることの覚悟も必要です。
こうした導入の手間を考えると、CRMの導入には業務改善・マーケティング施策をあらかたやりきった後に着手するのがおすすめです。
蓄積したデータを活用するハードルは高い
さらに、せっかくCRMを導入しても、データ活用にハードルを感じるケースも少なくありません。
日々の営業活動でデータは着実に蓄積されていきます。しかし、そのデータを分析し、仮説検証を繰り返し、施策に落とし込んでいくのは容易ではありません。
例えば、「ランチタイムには一人の男性客が多い」というデータが取れたとします。そこから導き出される仮説や施策は人によって異なるはずです。
こうしたデータ活用には、専門スキルを持つ人材の確保も必要になるかもしれません。導入したCRMを本当の意味で活用するハードルは高いと言えます。
ある程度の業務改善が終わったら導入すべき
とはいえ、CRMの導入は避けて通れない流れになりつつあります。
前述の通り、CRMにはリピーター増加や売上アップなど大きなメリットがあります。競合他店にお客様を奪われないためにも、顧客管理の効率化とデータ活用は欠かせません。
ただ、CRMはやはり導入コストが高額で手間もかかります。業務改善・マーケティングをほとんど何もやっていないうちから優先的にやるべきとは言えません。
そのため、例えばモバイルオーダーシステムの導入やシフト管理システムなど、CRMよりも料金が安く手間もかかりにくいものから着手していくのがおすすめです。
モバイルオーダーについては以下の記事もご覧ください。
CRMの導入で解決できる飲食店の課題
次に、CRM(顧客管理システム)を導入することで解決できる、飲食店特有の課題を見ていきましょう。
リピーターを獲得したい
飲食店にとって新規客を獲得するのと同じくらい大切なのが、リピーターを増やすこと。CRMを活用すれば、来店頻度の高い優良顧客を把握し、効果的なアプローチが可能になります。
例えば、「過去3ヶ月間で4回以上来店した客」といった顧客層を抽出。この顧客層には割引クーポンなどの特典を送り、さらなる来店を促すなどの対応を行います。
このように、顧客データの分析から施策につなげることで、効率的にリピーターを獲得できるでしょう。
顧客データを蓄積して経営に活かしたい
ほとんどの飲食店では、日々の営業の中で大量の顧客データが発生しています。
どのメニューがいつ売れたのか、客単価はいくらか、来店の間隔はどのくらいか。こうしたデータを蓄積し、分析することは、経営判断を行う上で欠かせません。
しかし、レシートや伝票からデータを集計するのは非常に手間がかかります。担当者の工数がかさむだけでなく、ミスも起きやすいのが難点。結局、販促施策などに活かしきれないケースも少なくありません。
一方、CRMを導入すれば、POSシステムとの連携などで顧客データを自動的に蓄積できるように。売上分析や顧客行動の見える化など、必要な情報にすぐアクセスできます。
アナログでの管理で手間が多い
多くの飲食店では、POSシステムなどでデジタル化が進む一方、顧客管理はアナログのままという状況。
例えば、予約の管理に電話と手書きの予約台帳を使っているケースは珍しくありません。
当然、手作業で管理する負担は小さくありません。予約の変更や問い合わせの対応にも時間がかかります。さらに、スタッフ間での情報共有や、過去の履歴の検索にも手間がかかるでしょう。
しかし、CRMを使えばこうした問題が一気に解消します。予約管理の自動化により、ダブルブッキングなどのミスを防げるだけでなく、店舗スタッフの工数も大幅に削減。
加えて、過去の予約履歴を瞬時に参照できるので、電話対応もスムーズに。「前回はお子様連れでしたが、今回はベビーチェアなどあらかじめご用意しておきますか?」など、一歩踏み込んだ対応が可能になります。
このように、顧客管理をアナログからデジタルに移行するだけで、業務の効率化や顧客満足度の向上が期待できます。
飲食店がCRMを導入するときのリスクと対策
CRMを導入することで、飲食店の顧客管理は大きく改善されるでしょう。
一方で、運用面でのリスクも考えておく必要があります。ここでは、主な3つのリスクとその対策について解説していきます。
導入後に活用しきれない可能性がある
まず1つ目のリスクが、せっかく導入したCRMを活用しきれないことです。「顧客データを集めたけど、どう分析していいかわからない」「結局、営業には活かせていない」といった状況に陥る可能性があります。
こうしたリスクを回避するには、導入前の段階で、活用イメージをしっかり持つことが大切です。
例えば、こんな施策を打ちたい。そのために、こういったデータが必要だ。そのデータをCRMではこう管理する。こんな分析をすれば、施策の効果検証ができる。
このように、できるだけ具体的に活用方法を想定しておきましょう。
イメージが湧かないようであれば、まずは初期費用が安いツールを選ぶ、無料トライアルを活用するなどして、コストを抑えながらCRMの運用に慣れていきましょう。
スタッフへの負荷が増してしまう
2つ目のリスクが、スタッフの負担増です。
確かにCRMの導入で、顧客情報の一元管理や予約業務の効率化は進みます。しかし、その一方で、顧客データの入力という新たなタスクが発生するのも事実。
例えば、問い合わせ対応や予約変更の際に、その情報をシステムに反映しなければなりません。
この作業自体は1回あたり数分で済むかもしれませんが、多くの顧客を相手にしていればトータルの工数は大きくなります。
「面倒くさい」「今日は忙しいから後回しにしよう」。こんな状況が常態化すれば、データは古いまま、活用もされない。いわゆる"宝の持ち腐れ"状態に陥ってしまいます。
対策としては、「いつ・どのタイミングでデータ入力するのか」というオペレーションを設計し直すことが有効です。
業務フローの中にデータ入力作業を明確に位置付けることで、日々の習慣にしていきましょう。最初のうちは意識して取り組む必要がありますが、徐々に当たり前の作業として定着していくはずです。
個人情報が漏れるリスクがある
最後に、個人情報の管理リスクについても触れておきます。
CRMで扱う顧客の氏名・連絡先・嗜好といった情報の多くは、個人情報に該当します。その取り扱いには細心の注意が必要です。
万が一情報が漏洩すれば、信用を失うことにも繋がります。
したがって、セキュリティはCRMを選定する際の重要な基準の1つです。システムごとに、どのようなセキュリティ対策がなされているかを確認しておきましょう。
また、社内の管理体制を見直す必要もあります。
「顧客情報の閲覧には、パスワードを設定する」「従業員のアクセス権限は必要最小限に絞る」などの地道な取り組みの積み重ねが、大切な顧客情報を守ることにつながります。
CRMを導入すべき飲食店3パターン
次は、CRMの導入がより効果的と考えられる3つの飲食店のパターンをご紹介します。
予約客の割合が高い
1つ目が、予約客の比率が高い飲食店です。
比較的高価格帯のレストランやコース料理店、個室を備えた店舗などが該当します。常連客をつかむには、予約時の対応が重要になるはずです。
その点、CRMであれば予約管理の自動化が可能。過去の来店履歴を踏まえた、よりパーソナルな対応が期待できます。
予約時に押さえた情報を最大限活用し、一歩踏み込んだ提案をすることで、顧客の心をつかむことができるはずです。
客単価が高く1人あたりの重要度が高い
次に、客単価が高い飲食店も、CRMとの相性が良いと言えます。高額のコース料理店や会員制レストランなどが典型例です。
こうした店舗にとって、一人一人の顧客の重要度は非常に高くなります。
例えば、1回の来店で10万円の売上が見込めるとしましょう。この顧客が月に1回のペースで来店してくれれば、年間で120万円の売上が見込めるようになります。
わずかな心遣いで顧客をつなぎ留められるのであれば、経営にも大きく貢献するはずです。
一方、ファストフードのようなボリュームゾーンを狙う業態では、一人一人の顧客に向き合う余裕はなかなかありません。CRMを入れても、顧客単位での活用は難しくなります。
多店舗展開をしている
最後は、多店舗展開をしているチェーン店です。個人店や数店舗までの規模であれば、オーナーがすべての顧客の顔を覚えていることも不可能ではないでしょう。
しかし10店舗、20店舗と規模が大きくなるとそうもいきません。
各店舗で顧客情報を個別に管理していたのでは、全社的な施策の展開にも支障が出てしまいます。
CRMを導入すると「顧客情報を一元管理する」「店舗間で統一されたデータをもとにマーケティング施策を企画する」などの対応ができるように。
こうして、全店を挙げて継続的な顧客育成に取り組むことが可能になります。
飲食店向けCRMの選び方
ここでは、飲食店がCRMシステムを選ぶときのポイントを具体的に見ていきましょう。
欲しい機能が入っているか
まずは、CRMに求める機能を洗い出します。ほぼすべての飲食店で必要となる基本的な機能と、業態によって必要になるオプション機能とに分けて整理してみましょう。
ほとんどのケースで必要な機能
顧客情報管理氏名、連絡先、属性情報などを一元管理できる
予約管理電話やWebからの予約を一括で管理、変更やキャンセルにも対応できる
来店履歴管理来店日時、利用人数、メニューなどの履歴を記録できる
これらは、飲食店のCRMとして最低限必要な機能と言えます。この中でも特に重視したい機能があれば、絞り込んでいきましょう。
場合によって欲しい機能
在庫管理メニュー毎の在庫量を管理、仕入れの最適化にも活用できる
勤怠管理従業員のシフト作成や勤怠管理を一元化
レポート機能売上分析や顧客属性の可視化など、豊富なテンプレートを用意
上記のようなCRMにおさまりきらない機能にも一括で対応しているシステムも存在します。
自店舗の課題とのマッチングを見極めながら、十分な機能を備えたCRMを選んでいきましょう。
導入のリスクが高くないか
機能面の検討と並行して、導入コストやサポートの充実度なども確認しておきたいポイントです。
初期費用が高額すぎないか、月々の利用料は予算内に収まるか。契約期間の縛りはないか、いざという時に解約できるか。トライアル期間はあるか、使いやすさを事前に確認できるか。
こうした観点から、選定を進めていきましょう。
なおコスト面のリスクを抑えたい場合は、初期費用が不要で必要なときにはすぐ解約できるサービスか、無料トライアルでお試しできるものを選ぶのがおすすめです。
既存のシステムと連携できるか
また、すでに自店舗に導入している他のシステムと連携できるかどうかも重要なポイントです。
例えばすでにPOSレジやハンディを導入している場合は、その注文データを自動でCRMシステムに取り込めるかなどを確認しておきましょう。
既存のシステムと連携できれば、それだけ工数の削減も可能になります。
おすすめの飲食店向けCRMをニーズ別で紹介
飲食店におけるCRMの選択肢は増えてきましたが、自店のニーズにピッタリ合うシステムを見つけるのは簡単ではありません。
ここでは、ニーズ別におすすめのCRMをピックアップしてご紹介します。自店の課題に合ったシステム選びの参考にしてください。
とにかく低リスクで試すなら「スマレジ」

まずはコストを抑えつつ、CRMを導入したいという店舗におすすめなのが「スマレジ」です。
スマレジの「スタンダードプラン」は、月額0円で利用可能。初期費用もかからないため、CRMを気軽に試すには適したシステムであると言えます。
無料ながら基本的な機能は一通り揃っています。CRMを使ったことがない飲食店が、まずは顧客管理の基礎を学ぶ入り口として最適です。
スマレジから顧客管理の重要性を実感し、徐々に本格的なCRMの活用につなげていくことができるでしょう。
予約経路が多いなら「TableCheck」

次にご紹介するのは、「TableCheck」です。多様な予約経路を持つレストランにおすすめのCRMと言えます。
TableCheckは予約管理に特化したシステムです。InstagramやFacebookなどのSNS、Googleマップや電話などの予約情報を一元管理できます。
特に電話予約の対応には心強い味方となってくれます。
TableCheckは「CTI連携」という機能を備えており、着信と同時に顧客情報を表示することが可能です。相手が誰かわからないまま電話に出る必要がありません。
顧客の名前だけでなく過去の来店履歴や予約メモなども即座に確認できるため、電話時にも細かな対応が可能です。
さらにPOSシステムとも連携が可能なため、誰が何をどれだけ注文したかといった情報も顧客情報に紐付けて管理できます。
多店舗展開をしているなら「Kintone」

最後は、多店舗展開している飲食店に最適な「Kintone」をご紹介します。
Kintoneはノーコード/ローコードで開発ができるクラウドサービス。プログラミングの知識がなくても、業務に合わせたシステムを柔軟に作ることができます。
特に多店舗経営において強みを発揮するのが、Kintoneの高いカスタマイズ性です。
各店舗に合わせた顧客管理画面や項目を自由に作成可能。つまり、店舗ごとに異なる運用ルールをある程度吸収しつつ、本部主導の統一データベースを構築できるのです。
加えて、他システムとの連携もしやすいのがKintoneの特長。POSシステムなど店舗の既存システムとつなぎ、データを一元化することも可能です。
飲食店がCRMを最大限活用する方法
CRMを導入すれば、それだけで顧客管理が上手くいくわけではありません。
せっかく収集したデータをいかに店舗の業務改善や売上アップに活かしていくかといった、運用面の工夫が何より大切です。
ここでは、飲食店がCRMを最大限活用するための方法を3つ挙げます。
いつ誰がどの情報を入れるのかマニュアル化する
CRMを使いこなすには、日々のデータ入力を習慣化することが重要。そのためには、いつ誰がどのような情報を入力するのかをルール化しておく必要があります。
例えば、予約受付時に顧客の連絡先や情報を登録する。来店時に注文メニューや人数を記録する。会計時に売上や顧客の満足度を入力するなど。
こうした「いつ・誰が・何を」を業務マニュアルにまとめ、全スタッフで徹底しましょう。
現場にもメリットや目的を伝える
データ入力は手間のかかる作業です。「面倒くさい」「時間の無駄だ」と現場スタッフに思われてしまっては、継続的な運用は難しくなってしまいます。
そこで重要なのが、CRM活用の目的やメリットをスタッフ全員で共有すること。
例えば、こんな風に伝えます。
「曜日・時間帯別の需要を予測することで、シフト配置が最適化できる。」 「リピーターを増やし、売上の安定化や向上が期待できる。売上が上がれば時給も上げられる。」
スタッフ自身の働きやすさや、店舗の発展につながるのだと理解を深めておけば、面倒に感じていた入力作業にもいくらか前向きに取り組んでもらえるはずです。
データを活用できる人を用意する
いくら顧客データを溜め込んでも、それを使いこなせなければ宝の持ち腐れ。データ活用のスキルを持つ人材の存在が極めて重要になります。
理想を言えば、経営者自身がデータを見て意思決定に活かせることが望ましいと言えます。しかし現実には、現場の業務に追われそこまで手が回らないことも多いはずです。
特に多店舗展開をしている場合は、本部にデータ分析専任の人材を置くのも有効です。
各店舗のデータを集約し客観的な視点で分析すれば、全社的な業務改善や売上向上の施策立案にもつながるはず。
専任者を置けない場合でも、データ活用に積極的なスタッフを育成し少しずつでも活用の習慣をつけていきましょう。
もっと手軽な業務改善なら「すぐメシくん」
CRMのように本格的なシステム導入は、まだハードルが高いと感じる飲食店も多いかもしれません。
そんな店舗におすすめしたいのが、シンプルで使いやすいモバイルオーダーシステム「すぐメシくん」です。
「すぐメシくん」は、お客様がテーブルのQRコードからスマホで注文し、その情報が自動集計される仕組み。注文の受付から集計までを自動化することで、オーダー取りの時間を大幅に短縮できます。
料理の提供スピードが上がるだけでなく、注文ミスの防止やスタッフの負担軽減にもつながります。
料金は業界最安級の月額一律3,300円(税込)で、初期費用も不要。さらに無料トライアルもあるため、自店舗にフィットするかどうかリスクなくお試しいただけます。
「DXを進めたいけど、本格的なシステム導入はハードルが高い」という方は、まずは手軽な「すぐメシくん」からお試しください。