粗利率の理想とは?業界ごとの目安や高めるコツ、飲食店での施策も
- logosukibeyondtsuc
- 2 日前
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粗利率とは、売上から売上原価を差し引いた利益の割合を示す指標です。事業の収益力を測るうえで欠かせない数値であり、経営判断や価格戦略の基盤として幅広い業種で利用されています。
ただ、粗利率の「理想」は業界ごとに大きく異なるため、一律の数値を目標にするだけでは不十分です。また、基本的な理解がなければ、粗利率をもとに適切な施策が講じられないおそれもあります。
このような点を踏まえ、自社や自店舗の業種特性やコスト構造に合った分析と改善策の検討が大切です。
本記事では、粗利率の理想について、業界ごとの目安や高めるコツ、飲食店での施策もあわせて解説します。
「粗利率」とは、売上から売上原価を除いた利益率のこと
「粗利率」とは、売上から売上原価(商品やサービスの製造・仕入れにかかった費用)を除いた利益が、売上に対してどの程度の割合を占めるかを示す指標です。会計上は「売上総利益率」とも呼ばれ、損益計算書の売上総利益をもとに算出します。
この粗利率によって、「商品やサービスそのものがどれだけの利益を生み出しているか」を把握することが可能です。算出された数値が高ければ高いほど、販売する商品の収益力が高いと評価できます。
このような点から、粗利率は経営状態を分析するうえでの基本指標として、業種・規模を問わず多くの企業で活用されています。
粗利率が経営に重要な3つの理由
粗利率は、単なる利益の割合を示す数字にとどまりません。
企業の収益構造を読み解くうえで欠かせない指標であり、経営判断のさまざまな場面で活用されています。とくに、外部からの信用評価やコスト管理の精度に直結するため、経営者が常に意識すべき数値の1つです。
このような性質から、経営者や店舗責任者として、自社・自店舗の粗利率を正しく理解し、今後の施策に活用する姿勢が欠かせません。
ここでは、粗利率が経営に重要な理由について、以下3点を解説します。
粗利率が経営に重要な理由
企業の評価指標となる
利益を把握しやすくなる
コスト管理がしやすくなる
①企業の評価指標となる
金融機関からの融資審査や取引先との契約交渉では、財務指標による客観的な評価が求められます。とくに、中小企業にとっては、収益力を数値で示す必要性が高まっている状況です。
このような背景から、粗利率は収益力を外部に示す評価指標としての役割を果たします。業界平均を上回る粗利率であれば、安定した利益を確保できている企業と判断されやすくなるためです。
上記を踏まえると、経営において長期的な収益力を図るうえで粗利率は欠かせない要素といえます。
②利益を把握しやすくなる
企業の利益には複数の種類がありますが、営業利益や経常利益では商品そのものの収益力が見えにくくなるケースも少なくありません。
粗利率を活用すれば、売上原価だけを差し引いた「商品単位の利益力」を明確に把握できます。複数の商品を扱う場合、商品ごとの粗利率を比較し、利益率の高い商品に注力する戦略が立てやすくなるでしょう。
このような点を踏まえると、自社・自店舗の商品やサービスの収益力を知りたい場合に、粗利率の把握が欠かせません。
③コスト管理がしやすくなる
原材料費や仕入れ価格は、市場環境の変動によって常に変化しています。そのため、経営者がコストの変動に気づかないまま放置すれば、利益が圧迫されるリスクは避けられません。
このような点から、粗利率を定期的にモニタリングしておけば、原価上昇や仕入れコストの変動をいち早く把握することが可能です。原因が原材料費の高騰か、販売価格の設定かを切り分けた分析もできるでしょう。
上記を踏まえると、適切なコスト管理の体制や仕組みを整えるためにも、粗利率の把握は大切といえます。
粗利率の計算方法は、「(売上 - 売上原価) ÷ 売上 × 100」
粗利率は、売上から売上原価を差し引いた利益が、売上に占める割合を示す指標です。シンプルな四則演算で算出でき、以下のような計算式を用います。
粗利率の計算方法 粗利率(%)=(売上 − 売上原価)÷ 売上 × 100 |
上記から、たとえば、売上が1,000万円、売上原価が600万円の場合、粗利率は40%ということがわかります。
この粗利率の計算時には、売上原価に含める範囲を正しく把握する必要があります。製造業であれば材料費や労務費が該当しますが、販売費や一般管理費は含みません。
上記のようなポイントを踏まえ、自社の業種に合った区分を確認したうえで、粗利率を算出することが大切です。
粗利率の理想とは?業界ごとの目安も
粗利率の「理想」は一律に定められるものではなく、業界ごとにその目安は異なります。以下は、中小企業庁のデータをもとにした業界別の粗利率です。
業種別の粗利率(全体の累計から算出)
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上記のような業種別の粗利率データは、自社や自店舗の立ち位置を確認するうえで参考になるものです。もし、粗利率が業界平均を下回っている場合、原価構造や価格設定の見直しを検討してみてください。
粗利率を高めるための3つのコツ
粗利率を改善するには、売上原価を抑えるか、売上を伸ばすか、あるいはその両面からアプローチする必要があります。加えて、漠然としたコスト削減ではなく、自社の課題に合った施策を選ぶことが重要です。
このような点から、まずは粗利率が低下している原因を特定し、改善の方向性を明確にしたうえで具体的な取組みに着手する姿勢が求められます。
ここでは、粗利率を高めるためのコツについて、以下3点を解説します。
粗利率を高めるためのコツ
原価の見直し
販売価格の見直し
業務の効率化
①原価の見直し
粗利率は「売上 − 売上原価」で算出されるため、原価が上昇すればそのまま粗利率の低下につながる構造です。
このような構造から、粗利率を高めるためには、原価の見直しが有効です。具体的には、仕入れ先との価格交渉や、より条件の良い仕入れルートの開拓が挙げられるでしょう。
原価の見直しは販売価格を変えずに粗利率を改善できる方法であるため、顧客への影響を抑えた収益改善が期待できます。
②販売価格の見直し
原価の削減だけでは限界がある場合、販売価格の引き上げも粗利率改善の有効な手段です。
ただ、単純な値上げは顧客離れにつながるリスクもあるため、商品やサービスの付加価値を高めたうえで価格に反映させるアプローチが効果的です。たとえば、アフターサービスの追加やパッケージ刷新による方法が挙げられます。
上記のように、付加価値に見合った価格設定であれば、顧客の納得感を維持しながら粗利率の向上が見込めます。
③業務の効率化
業務プロセスに無駄が多いと、人件費や製造費などの間接的なコストが膨らみ、粗利率を圧迫する要因になります。
このようなことから、粗利率を高めるために、自社・自店舗の業務を効率化することも有効です。具体的には、ITツールの導入やワークフローの見直しが挙げられます。
業務の効率化によって、間接コストの削減が実現でき、加えて、従業員がコア業務に集中できる環境が整うことから長期的な収益改善につながります。
飲食店で粗利率を改善する際の施策とは?
飲食業界は粗利率が高い業種である一方、食材費や人件費の割合も大きく、利益が安定しにくい構造にあります。とくに、近年は原材料費の高騰や人手不足の影響が顕著であり、粗利率の維持・改善は多くの飲食店にとって喫緊の課題です。
このような点から、飲食店では業界特性に合った施策を講じることが大切です。
ここでは、飲食店で粗利率を改善する際の施策について、以下3点を解説します。
飲食店で粗利率を改善する際の施策
メニュー構成・価格の見直し
シフトの調整
ツールやシステムの導入
①メニュー構成・価格の見直し
飲食店ではメニューごとに原価率が異なるため、売れ筋メニューの原価率が高い状態が続くと、売上が伸びても粗利率が上がらないケースがあります。食材価格の変動をメニュー価格に反映できていない店舗も少なくありません。
このようなことから、メニュー構成・価格の見直しが有効です。
具体的には、各メニューの原価率を個別に算出し、利益率の高いメニューを目立つ位置に配置します。加えて、セットメニューの設定で客単価を引き上げる方法もあります。
上記のような施策によって、粗利率を踏まえた売上のアップが期待できるでしょう。
②シフトの調整
飲食店における人件費はFLコストのなかでも大きな割合を占め、粗利率への影響が大きい費目です。ピーク時間帯と閑散時間帯でスタッフ数が変わらなければ、人件費が過剰になりやすい傾向があります。
このような人件費を改善するためには、シフトの調整がおすすめです。
具体的には、曜日・時間帯ごとの売上データを分析し、来客数に応じた適正人数を配置する運用が求められます。また、ピーク時は十分な人員を確保しつつ、閑散時は最小限の体制に切り替えることで無駄な人件費を削減可能です。
売上データにもとづいたシフト設計によって、サービス品質を維持しながら人件費率を抑えられます。
③ツールやシステムの導入
飲食店では注文の聞き間違いや伝達ミスによる食材ロス、手作業での会計処理にかかる時間など、コストが発生しやすいポイントが多く存在します。小さなロスの積み重ねが粗利率を押し下げる原因です。
このような状況に対しては、ツールやシステムの導入が効果的です。
たとえば、モバイルオーダーや配膳ロボットなど、業務を自動化する機器の活用が挙げられます。加えて、注文から会計までをデジタル化すれば、ヒューマンエラーの削減と人件費の圧縮を同時に実現可能です。
ツールやシステムの導入による施策は、中長期的にはコスト削減効果が大きいため、導入を検討する価値は高いといえます。
飲食店で粗利率を改善する際におすすめのツール・システム
粗利率を改善する際におすすめなのが、業務効率化ツールやシステムの導入です。飲食店向けのツールには、オーダーシステムや配膳ロボット、決済システムなどさまざまな種類があります。
これらを活用すれば、ミスによる食材ロスを抑えたり、人件費を削減できたりといった効果が期待できるでしょう。
最後に、飲食店で粗利率を改善する際におすすめのツール・システムについて、以下3点を紹介します。
おすすめのツール・システム
モバイルオーダー:ビヨンド注文
配膳ロボット:BellaBot
決済システム:PayPay
モバイルオーダー:ビヨンド注文

出典:ビヨンド注文
ビヨンド注文とは、月額3,300円(税込)から利用できる業界最安級の飲食店向けモバイルオーダーシステムです。
このサービスを導入すれば、来店客の注文を、来店客自身のスマートフォンで完結させられます。注文用の専用端末やアプリのダウンロードが不要であるため、気軽に店内の運用を変更することが可能です。
また、注文情報が調理場の端末にそのまま届くため、聞き間違いによるオーダーミスの防止にもつながります。
上記のような点を踏まえると、ビヨンド注文は「すぐにできる安価な施策をおこないたい」といった飲食店に適したツールといえます。
サービス名 | ビヨンド注文 |
料金(税込) | 月額3,300円(初期費用無料) |
機能 | 顧客側
店舗側
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運営会社 | BPS株式会社会社 |
配膳ロボット:BellaBot

出典:BellaBot
BellaBotとは、世界60カ国以上で導入されているネコ型の配膳ロボットで、国内ではテクノホライゾン株式会社(エルモ)が販売を手がけています。
このロボットは、最大40kgの積載量と4段トレーを備えており、スタッフが1日に200〜300皿を運ぶのに対し、BellaBotは約400皿の配膳が可能です。加えて、最先端の技術によって、人や障害物を自動で回避しながら安全に料理を届けます。
配膳業務をロボットに任せることで、ホールスタッフの負担を軽減しつつ、人件費の削減と接客品質の向上を両立できます。
サービス名 | BellaBot |
料金(税込) | 月7万円〜 (詳細は問い合わせ) |
機能 |
|
運営会社 | テクノホライゾン株式会社 |
決済システム:PayPay

出典:PayPay
PayPayとは、登録ユーザー数7,300万人以上を誇る国内最大級のキャッシュレス決済サービスで、QRコード決済であれば初期費用0円から導入できます。
このサービスでは、QRコード決済タイプであれば、決済手数料1.60%からと低コストで運用でき、振込手数料も無料で導入することが可能です。また、プランによっては、加盟店向け管理ツールからクーポンやスタンプカードを発行でき、集客施策としても活用できます。
上記を踏まえ、PayPayは導入コストを抑えつつキャッシュレス対応を進めたい飲食店におすすめのサービスといえるでしょう。
サービス名 | PayPay |
料金(税込) | 制限プラン:月額・初期費用0円ライトプラン:月額・初期費用1,980円〜(トライアルあり) |
機能 |
|
運営会社 | PayPay株式会社 |
【まとめ】粗利率の理想を踏まえ、効果的な施策を!
本記事では、粗利率の理想について、業界ごとの目安や高めるコツ、飲食店での施策もあわせて解説しました。
粗利率は業界によって目安が大きく異なり、自社・自店舗の数値が平均を上回っているか、下回っているかを把握することが経営改善の出発点といえます。
とくに、飲食店では、食材費や人件費のFLコスト管理が粗利率に直結するため、メニューの見直しやシフト調整、ツールの導入を組み合わせた取組みが求められるでしょう。
ただ、粗利率を高める施策を講じるためには、現状の粗利率の正確な把握や自社・自店舗に適した施策の実行が欠かせません。
本記事を参考に粗利率の考え方を踏まえた適切な施策の検討や実行をおこなってください。
なお、飲食店で粗利率を改善したい場合には、モバイルオーダーシステムの「ビヨンド注文」がおすすめです。月額3,300円(税込)から利用でき、来店客の満足度を向上させたり、無駄な人件費を削減できたりといった効果が見込めます。



